Oral Oncology誌に論文がアクセプトされました

2021年7月23日

口腔腫瘍に関する国際的学術雑誌「Oral Oncology (IF:5.337)」に原著論文「Postoperative oral dysfunction following oral cancer resection and reconstruction: a preliminary cross-sectional study」がアクセプトされました。本論文では口腔がん治療後の合併症として生じる口腔機能の低下を包括的に評価し、その障害の程度と特徴を統計学的に分類することで「術後性口腔機能障害」を提案、病態を明らかにするとともに、術後性口腔機能障害の新規分類法として「Matsuda-Kanno classfication(MK分類)」を提唱しました。

近年、口腔がん治療の発達により生存期間のみならず、治療後の生活の質(QOL)の向上も求められるようになっています。特に口腔がんはその治療部位の特性上、「形態と機能」の維持が大変重要になります。しかし、口腔機能は発音発語、嚥下、呼吸など多岐にわたる機能を有するため、治療後の口腔機能の低下も個人差が大きく、病態の把握が困難でした。そこで口腔がん治療前後の各種口腔機能を包括的に評価し、機能の変化を主成分分析によって分類、体系化することに成功しました。本研究結果は口腔がんの再建手術の機能的な評価、新たなリハビリテーション法の開発などに役立てられると考えられます。

本研究チームには日頃より口腔がん治療において緊密な連携をさせていただいております、耳鼻咽喉科坂本教授、青井准教授、形成外科林田講師にもご協力いただいて実施しました。この場を借りて、終始懇切丁寧な指導をいただきました管野貴浩教授をはじめ共同研究者の皆様に深く御礼申し上げます。

今後も口腔がん治療および治療後のリハビリテーションの向上のために、臨床研究に尽力して参ります。

助教 松田悠平

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