7月8日(土)愛知にて開催された、本学臨床教授・前愛知学院大学顎顔面外科学講座主任教授である長尾徹先生の退任記念学術講演会および祝賀会にお招き頂き、講座を代表して参加させていただきました。
長尾徹先生とは、わたくしが香川県立中央病院に勤務のころより20年近くにわたり、先生は岡崎市民病院の口腔外科統括部長であられ、病院歯科口腔外科の管理運営・地域医療との連携の大切さ、さらには先生のご専門である口腔がん治療とその予防と市民への口腔がん啓発活動の重要性についてご教授とご指導を頂いておりました。
先生は、口腔がんの切除と再建の本邦の第一人者であるのみならず、WHO(世界保健機構)の客員上席研究員としてロンドン大学キングスカレッジに於いて口腔がんの疫学研究とたばこ(とりわけ檳榔樹・噛みたばこの口腔癌の発がんメカニズム)の関連や口腔がん検診の重要性に関する研究において世界を牽引してこられました。また、ODA政府開発援助プロジェクトとして、スリランカ・ペラデニア大学での歯学教育・口腔顎顔面外科学の教育体系・技術指導と技術移転に尽力されるなど、国際舞台での医学歯学研究、臨床、教育と多大なる発展に大きく貢献されてこられました。そして、われわれ島根大学医学部の臨床教授に2014年より就任兼務頂き、医学部の学生講義と島根県でのわれわれの講座と島根県がん対策室との連携事業においても、口腔がん啓発活動や口腔がん検診においてその豊富な経験から良きアドバイスを下さいました。2017年からは、母校であられる愛知学院大学歯学部顎顔面外科学講座主任教授にご就任なされ、東海中部地域の口腔外科医療と若手口腔外科医の育成に尽力なされてこられました。
退任記念学術講演会では、これまで43年間にわたる先生の口腔がんの診断と治療、そしてWHO(世界保健機構)での口腔がん研究と実際の取り組みに関して詳説なされ、今後の口腔がん撲滅と最も重要な早期発見・早期治療の重要性について今後の展開までご教授くださいました。会場には、300名ほどの大学および関連病院、(公社)日本口腔外科等の学会関連、広く医師会・歯科医師会関連の先生方や長年のご友人等で埋め尽くされ、その後の祝賀会も盛大に執り行われました。
長尾先生、引き続きわれわれの講座および診療科とも、ご厚誼の程をよろしくお願いいたします。
教授 管野貴浩