【地域包括ケア教育研究センターとの共同研究成果】島根県における高齢者の口腔不健康状態が早期介護認定や死亡の発生と関連することを発表!

2024年10月18日

2024年10月18日付けで、教授の管野貴浩先生、講師の松田悠平先生が共同研究チームの一員として進めてきた研究成果が、世界的に権威のあるThe Lancetの姉妹紙である国際学術誌The Lancet Healthy Longevity(IF:13.4)に掲載されました。オープンアクセスですのでどなたでもダウンロード、閲覧可能です。論文へのアクセスはこちらをクリックください。下記にプレスリリースしました情報を引用掲載します。

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島根大学、島根県歯科医師会、国立保健医療科学院の共同研究チームは、島根県内の高齢者における口腔の不健康状態が早期の介護認定や死亡の発生と関連することを学術誌The Lancet Healthy Longevityに発表しました。日本では、世界的にも先進的な取組として、後期高齢者(75歳以上の高齢者)を対象に歯科口腔健康診査を推奨しています。しかし、歯科口腔健康診査による診断結果から、様々な口腔指標と介護認定や死亡との関連を調べたエビデンスは少ないのが現状です。そこで、島根県において島根県後期高齢者医療広域連合が島根県歯科医師会と共同して実施している平成28年(2016年)以降の後期高齢者歯科口腔健康診査の歯科口腔検査データを用いて介護認定(要介護度2以上)または死亡の発生との関係を分析しました。その結果、口腔指標の不健康状態(歯の数の少なさ、主観的および客観的な咀嚼能力の低さ、歯周組織の不良、機能的嚥下障害、舌の可動性の低さ、構音障害、口腔の不衛生、未処置歯、上顎または下顎の義歯不適合)はそれぞれ早期の介護認定や死亡の発生と関連することが明らかとなりました。特に、グミを15秒間咀嚼して分割数を調べた客観的な咀嚼能力は、上記の口腔指標のなかでも最も介護認定や死亡の発生に対する影響が大きいことが示されました。島根県における後期高齢者歯科口腔健康診査が、後期高齢者の健康寿命を予測する有用な手段である可能性が示唆されました。これにより、定期的に歯科口腔健康診査を受け、口腔の不健康状態を早期に発見・対策と治療することの重要性が示されました。また、治療を通じて、客観的によく噛める状態にあるのかを確認することも大切です(研究の詳細はプレスリリース参照)。

この成果は、学術誌The Lancet Healthy Longevityに掲載されます(2024年8月9日受理、2024年10月17日付けで、オンライン上で早期公開)。

【論文名】Effect of oral health on functional disability and mortality in older adults in Japan: A cohort study
【掲載誌】The Lancet Healthy Longevity
【論文URL】https://doi.org/10.1016/j.lanhl.2024.08.005
【著者】(所属・職名)
◆安部孝文(島根大学研究・学術情報本部地域包括ケア教育研究センター・講師)
◆富永一道(島根県歯科医師会/島根大学地域包括ケア教育研究センター・客員研究員)
◆齋藤寿章(島根県歯科医師会/島根大学地域包括ケア教育研究センター・客員研究員)
◆清水 潤(島根県歯科医師会)
◆前田憲邦(島根県歯科医師会)
◆松浦良二(島根県歯科医師会)
◆井上幸夫(島根県歯科医師会)
◆安藤雄一(国立保健医療科学院)
◆松田悠平(島根大学医学部歯科口腔外科学講座・講師)
◆管野貴浩(島根大学医学部歯科口腔外科学講座・教授/地域包括ケア教育研究センター・副センター長)
◆矢野彰三(島根大学医学部臨床検査医学講座・准教授/地域包括ケア教育研究センター)
◆磯村 実(島根大学人間科学部・教授/地域包括ケア教育研究センター・センター長)

【研究に関する問合せ先】
島根大学研究・学術情報本部地域包括ケア教育研究センター
講師 安部 孝文
電話: 0853-20-2586

島根大学医学部歯科口腔外科学教室
講師 松田 悠平
電話:0853-20-2301

島根県歯科医師会
専務理事 松浦 良二
電話:0852-24-2725

【島根県後期高齢者歯科口腔健康診査に関する問い合わせ先】
島根県後期高齢者医療広域連合
業務課 保健事業グループ
電話:0852-40-0043

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